仮眠から目覚めた男性

不眠症は大きな分類として4種類に分けることが出来ます。

それぞれの特徴についてまとめてみますので、もしも不眠症で悩まれている場合はまず自分がどれに該当するのかを知ることが大切です。

眠ることができない入眠障害

不眠症患者が最も多く、また不眠症と言って一般的に知られているのが「入眠障害」です。その目安としては、布団に入ってから1時間以上眠りにつけない日が何日もあること、またその状態が1ヵ月以上続いている場合は入眠障害として診断されるとのことです。

入眠障害の特徴としては、眠りにつくまでは長い時間がかかってしまいますが、一度眠りにつきさえすれば朝までぐっすり眠っていられるという点です。

のこりの3種類と比較すると、若い世代の患者数が多いというのも特徴のひとつと言われています。それは入眠障害が肉体的な理由ではなく、精神的な理由で起こることが多いとされているためです。

症状が重くなってしまうと、毎日のように2,3時間経っても眠りにつけないという場合もあります。
このような状態が続くなどして「今日も眠れなかったらどうしよう」「明日に備えて眠らないといけないのに」と不安に感じることで精神的な負担が増えてしまい、症状が悪化してまうという悪循環を生んでしまう可能性があります。

夜中に目が覚めてしまう中途覚醒

次の日の予定や、いつもと違う環境で眠ることによる緊張などにより、夜中に何度も目が覚めてしまうことを「中途覚醒」と言います。
例えば大きなイベントの前日、また旅行先での就寝など一過性によるものであれば気にする必要はないのですが、1ヵ月以上この症状が続くと中途覚醒と診断されてしまいます。

深く眠りにつけないことで体調を崩したり、昼間にひどい睡魔に襲われるなど日常生活に影響を与える可能性すらあります。

4種類の不眠症のうち、高齢者が診断される割合が高く、60歳以上では5人に1人が中途覚醒の症状を訴えていると言われています。これは加齢が原因となり、睡眠そのものが浅くなってしまっているために目が覚めやすくなっていると考えられています。

また、精神的な理由や加齢によるもののほか、別の病気によって中途覚醒が起こってしまっている可能性があるとのことです。思い当たる原因が考えられない場合、専門機関で診断してもらう必要があると言えるでしょう。

予定した起床時間よりも早く目覚めてしまう早朝覚醒

目覚まし時計などが鳴る前に目が覚めてしまってその後眠れなくなる、といった症状のことを「早朝覚醒」と呼びます。一般的には、予定していた時刻よりも2時間以上早く目が覚めてしまうような状態が、1週間のあいだに2,3回以上、またその症状が1ヵ月以上続いている場合に診断されるものです。

睡眠時間が短くなることで体調を崩してしまったり、日中の日常生活に影響を与える場合があります。精神的な理由などにより眠りが浅くなっていることが考えられるため、生活習慣の改善や睡眠薬を使用するなどの対策が考えられます。

眠った気がしない熟眠障害

睡眠時間は一般的に必要な分だけとっている、寝つきも悪くない、夜中に目が覚めることもない、これまで紹介した3つの不眠症に該当しない場合でも不眠症と診断される場合があります。

例えば寝起きが悪い、よく寝たはずなのに疲労感が取れていない、といったものも不眠症とされ「熟眠障害」と言われるものです。

これまでの3つの症例に比べて患者数は少ないと言われていますが、軽度の熟眠障害と診断される患者数は入眠障害よりも多いという調査結果が出ています。

その原因は、脳の働きが休んでいる状態の睡眠である「ノンレム睡眠」、この量が減ってしまっていることと関係しています。ノンレム睡眠が減ると疲労感が残ってしまい、熟睡感が薄れてしまう可能性があります。

また、睡眠薬を使用して深い睡眠をとったとしても、ノンレム睡眠に関係する睡眠の質までコントロールできるわけではないため、根本的な改善が難しいとされています。長期的な目線での生活習慣の改善、またサプリメントの活用などを行っていくことが大切となります。

おわりに

眠りにつくことが出来ないことが不眠症ではなく、夜中に目覚めてしまうことや、睡眠の質によって身体の疲労が取れないといったものも不眠症と該当することが分かったかと思います。

不眠症は日中の強い眠気や、精神的に不安定になるなど実生活に影響を与えてしまいます。自分が不眠症に該当することを理解して、適切な対処を行うことが重要となります。

その多くは精神的なものが原因であり、根本的な解決としては日常生活のストレスや悩み事、また生活リズムなどを改善していくことが大切です。

また、自身では気付きにくいものとして「睡眠呼吸障害」による不眠症も考えられます。睡眠中に呼吸が止まってしまったり、ひどいいびきをかくなどが症例ですが、これらが原因で深い眠りにつけていない可能性があります。

また、原因が病気である不眠症も自分では関連性が分かりにくいため、理由が分からず不眠症の症状が出てしまった場合には必ず専門機関にて診断してもらうようにしてください。

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